続きです。
論文を書くまでの、取材記などをさささと書こうと思ってたんですが、せっかく勉強したことを忘れちゃわない内に 論文の補足的なものになりそうです。
普段 長い文章書くことがないので、なんかちょっと楽しくなってきました。
お付き合いよろしくお願いします。
では、
鬼というのは 今でこそ虎柄のふんどしに、牛の角 金棒を振り回して暴れる、赤や青の大男というようなイメージが定着してますが、そもそもの起源はとても複雑で 素人が手を出せばとても大変な妖怪です。オニという言葉の意味は、目に見えぬ不思議な力のあるものとされています。王仁とか穏とか字を当てますし。
また、妖怪という言葉も比較的新しい言葉でして、平安時代なんかは 怪しいものやことは 鬼や物の怪などと呼ばれていたようです。(今みたいな 貞子や伽椰子のような、個人の幽霊なんて概念は無いんです。化けて出るのは ただの幽霊で、物の怪の一種になっちゃいます。)
なので、やっかいかなぁとう思ったんですが、論文のテーマによっては使い分けられるような気がして 改めて戸隠の鬼女でいこうと決めました。
『平安時代、応天門放火の罪で会津に流された夫婦が、第六天魔王に祈願し産まれた女児が紅葉である。 その後、京に上った彼女は時の権力者源経基の寵愛を受け子を宿すが、妖術を使い正妻を亡き者にしようとしたことが発覚し、信州戸隠の里に流されてしまう。
谷川に沿ってさまよい、水無瀬の里におちついた紅葉は 里人に京の文化を伝えたり、まじないをもって病気を癒したりと 信仰の対象になり とても敬われます。
しかし、自身の不甲斐なさや京への復讐の念から鬼女となり、落人や盗賊達を集め一帯を荒らしまわる事となります。
やがて その噂は京まで届き、見かねた朝廷は将軍平維茂に鬼女討伐を命じます。 しかし、妖術を駆使し応戦する紅葉一党の前に敗退を繰り返します。
維茂は戦勝を祈願するため 上田の北向観音に参籠し、霊剣を授けられます。そして、半日におよぶ死闘の果て、観音の加護と霊剣の力で遂に鬼女紅葉を討伐したのであります。
そして、水無瀬の村は 鬼無里と名を改めたのでした。』
というのが、能「紅葉狩」や歌舞伎に伝わる鬼女紅葉伝説のおおまかなストーリーです。
第六天魔王というのは、六道(地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天上界)のうちの天上界、その下部の六欲天にすむ魔王のことです。
その魔王に祈願して産まれた紅葉は生まれながらの鬼なのです。人であったものが鬼と化す話(女の鬼は大概これ)はいくらでもあり、その類の話では、鬼と成さしめた因果に重点が置かれますが、紅葉伝説は違います。人が妖魔になる話ではなく、妖魔が人の姿をとって活躍?する話です。
ふつう こういった妖怪退治のはなしは退治する側が主人公なのに、この話は討伐される側が主役の、珍しい伝説です。
面白そうな論文の手ごたえをちょっと感じられました。
で、調べてみると、戸隠 鬼無里地区には紅葉にまつわる遺跡などが結構残っているみたいなので、次の休みにフィールドワークという名目で観光に出かけようと思いました。
続く。
論文を書くまでの、取材記などをさささと書こうと思ってたんですが、せっかく勉強したことを忘れちゃわない内に 論文の補足的なものになりそうです。
普段 長い文章書くことがないので、なんかちょっと楽しくなってきました。
お付き合いよろしくお願いします。
では、
鬼というのは 今でこそ虎柄のふんどしに、牛の角 金棒を振り回して暴れる、赤や青の大男というようなイメージが定着してますが、そもそもの起源はとても複雑で 素人が手を出せばとても大変な妖怪です。オニという言葉の意味は、目に見えぬ不思議な力のあるものとされています。王仁とか穏とか字を当てますし。
また、妖怪という言葉も比較的新しい言葉でして、平安時代なんかは 怪しいものやことは 鬼や物の怪などと呼ばれていたようです。(今みたいな 貞子や伽椰子のような、個人の幽霊なんて概念は無いんです。化けて出るのは ただの幽霊で、物の怪の一種になっちゃいます。)
なので、やっかいかなぁとう思ったんですが、論文のテーマによっては使い分けられるような気がして 改めて戸隠の鬼女でいこうと決めました。
『平安時代、応天門放火の罪で会津に流された夫婦が、第六天魔王に祈願し産まれた女児が紅葉である。 その後、京に上った彼女は時の権力者源経基の寵愛を受け子を宿すが、妖術を使い正妻を亡き者にしようとしたことが発覚し、信州戸隠の里に流されてしまう。
谷川に沿ってさまよい、水無瀬の里におちついた紅葉は 里人に京の文化を伝えたり、まじないをもって病気を癒したりと 信仰の対象になり とても敬われます。
しかし、自身の不甲斐なさや京への復讐の念から鬼女となり、落人や盗賊達を集め一帯を荒らしまわる事となります。
やがて その噂は京まで届き、見かねた朝廷は将軍平維茂に鬼女討伐を命じます。 しかし、妖術を駆使し応戦する紅葉一党の前に敗退を繰り返します。
維茂は戦勝を祈願するため 上田の北向観音に参籠し、霊剣を授けられます。そして、半日におよぶ死闘の果て、観音の加護と霊剣の力で遂に鬼女紅葉を討伐したのであります。
そして、水無瀬の村は 鬼無里と名を改めたのでした。』
というのが、能「紅葉狩」や歌舞伎に伝わる鬼女紅葉伝説のおおまかなストーリーです。
第六天魔王というのは、六道(地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天上界)のうちの天上界、その下部の六欲天にすむ魔王のことです。
その魔王に祈願して産まれた紅葉は生まれながらの鬼なのです。人であったものが鬼と化す話(女の鬼は大概これ)はいくらでもあり、その類の話では、鬼と成さしめた因果に重点が置かれますが、紅葉伝説は違います。人が妖魔になる話ではなく、妖魔が人の姿をとって活躍?する話です。
ふつう こういった妖怪退治のはなしは退治する側が主人公なのに、この話は討伐される側が主役の、珍しい伝説です。
面白そうな論文の手ごたえをちょっと感じられました。
で、調べてみると、戸隠 鬼無里地区には紅葉にまつわる遺跡などが結構残っているみたいなので、次の休みにフィールドワークという名目で観光に出かけようと思いました。
続く。
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by jinjin-futaba
| 2012-12-06 01:27
| 妖怪のこと